卵質測定装置
DET6500
DET6500
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卵の品質

卵の品質を測定する主な指標として、ハウユニット(Haugh unit)と卵黄係数(Yolk index)が挙げられます。DET6500は、その両方を自動演算、表示します。

ハウユニット(Haugh unit)

ハウユニットとは、1937年にRaymond Haugh(レイモンド・ハウ)が考案した卵の内部品質を表す指標の一つです。卵黄の周りの濃厚卵白の高さと卵重との相関から算出され、値が高いほど品質が良いとされています。

平板上に割卵した卵の濃厚卵白の高さと卵重から、ハウユニットを次式で算出します。
HU: ハウユニット  H: 濃厚卵白高  W: 卵重

HU=100 x log (H-1.7W0.37+7.6)

平板上に割卵した卵の濃厚卵白の中央部の高さを、濃厚卵白高(H)とします。

市販卵23,093個におけるパック日翌日のハウユニットの区分出現頻度(%)を調査しました。結果、半数近くは80~90のハウユニット値を示す一方、1000個に1個の割合でほとんど濃厚卵白が無い卵もありました。

市販卵23,093個におけるパック日翌日のハウユニットの区分出現頻度(%)
自社調べ:2004年~2008年

ナベルのDET6500は、ハウユニットを自動演算し、アメリカ合衆国農務省(USDA)の指標に基づくランクとともに表示します。

ランク : AA (HU72.0~)
A (HU 60.0~71.9)
B (HU 31.0~59.9)
C(HU ~30.0)

卵黄係数(Yolk index)

卵黄係数(Yolk Index)は平板に割卵した卵黄の高さを直径で割った値として算出され、1930年代には卵の内部品質指標として用いられるようになりました。時間経過とともに卵黄膜の繊維組織が緩くなり膜の強度が失われることから、劣化が進むと値は低下します。

平板上に割卵した卵黄の高さ(YH)と直径(YD)から卵黄係数(YI)を次式で算出します。
YI: 卵黄係数  YH: 卵黄高さ  YD: 卵黄直径

YI=YH/YD

鮮度の異なる種々の卵を用いて、卵質計やノギスを使用して算出する手動測定値と、DET6500を使用した自動測定値を比較しました。

ハウユニット、卵黄係数ともに手動測定値と自動測定値との間に強い相関が認められ、DET6500の測定値の信頼性の高さを示す結果が得られました。

Hatta et.al.(2016), The 25th World's Poultry Congress.

次のグラフは、異なる温度下における卵黄係数の推移を表しています。保存温度は卵の鮮度に影響し、低温保存により鮮度を長く保つことができます。

The illustrated egg handbook

賞味期限と卵黄係数

濃厚卵白の変化に着目したハウユニットは保存期間の経過に伴う低下が顕著なため、短期間の鮮度低下が鋭敏に数値化されます。
では賞味期限はどのように算出されるのでしょうか。卵黄膜の脆弱化が進行し卵黄中の鉄分が卵白部に漏出すると、もしサルモネラ属が卵内に存在した場合に急激に増殖します。菌の急増が始まるまでの期間は保存温度と一定の関係があり、これを元に鶏卵の賞味期限が定められているのです。